報道翻訳の理想とは

海外メディア記事の翻訳への需要は、ウェブ上での記事掲載が始まった1990年代末から爆発的に増えました。2000年代半ば以降はやや落ち着いたように感じられますが、紙媒体とウェブ媒体を合わせ、ニュース記事や分析記事の翻訳は、社会経済、IT、科学のほか、医療や各種工学的専門分野に至るまで内容的な広がりを見せながら、ひとつのジャンルを形成していると言えます。

この20年、こうした報道系の翻訳の質は変わってきたのでしょうか。固有名詞の表記や引用の処理など訳文のスタイルの問題だけでなく、掲載媒体のあり方や、チームで訳文を作成するプロセスまで含めて再検討してみようと思います。そのうえで、今後の報道翻訳はどのような方向に進むことが望ましいか、また、このジャンルの翻訳者はギグ・ワーカー化するのかといった面についても考察します。

報道関係の翻訳に携わっている方だけでなく、ノンフィクション系の出版翻訳者や翻訳学習者の参加をお待ちしております。