村上春樹 vs.カラマーゾフ――現代日本の翻訳文化と世界文学

現代の日本の翻訳の状況を見ると、内から外へ、と外から内への両方向で活発化しています。村上春樹は世界中の言語に翻訳されて「世界文学」の一部になっていますが、他方、ドストエフスキーのような西洋文学の古典が新たに日本語に訳され広く読まれています。本講演ではこのような現代日本の翻訳文化の状況を踏まえ、以下のトピックを検討する予定です。

(1) 文学の翻訳の場合、二つの言語の間を超える、あるいは媒介するということは、文化的にどのような意味を持つのか。

(2) 翻訳は現代の世界文学の形成にどのような意味を持つのか。

(3) 最近日本で活発な「古典新訳」にはどのような意義や必要性があるのか。文学の翻訳には「賞味期限」があるのか。

(4) 読者は翻訳に「読みやすさ」を求めるべきなのか、それとも新たな「異化」求めるべきなのか?

文学の翻訳や異文化交流に興味を持つ広い層を対象とした講演です。