日本における国際的な子の拉致とハーグ条約に基づく返還援助申請

「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」は、国境を越えた子どもの不法な連れ去りや留置をめぐる紛争に対応するための国際的な枠組みであり、日本は、2014年になってようやく同条約に署名しました。

子の返還援助申請は一方の国の中央当局から他方の国の中央当局に対して書面でなされるため、添付書類を含む膨大な量の翻訳作業が伴い、翻訳作業は、申請書類だけでなく、法令の関連条文や裁判関連の文書にまで及ぶことがあります。

このセッションでは、ハーグ条約の法理や、国際法や家族法の分野での翻訳に役立つ用語について紹介するとともに、日本とオーストラリアでの家族法の考え方や親権に関する慣習の違いなどによる、ハーグ条約を取り巻く様々な問題について考察します。その後、小グループにわかれ、国際結婚家庭における事例に対する裁判所決定の抜粋を実際に翻訳しながら、ディスカッションを行います。

特殊な分野を題材としていますが、リーガル翻訳全般に興味・関心のある方がどの法務分野でも適用可能な、包括的翻訳スキルの向上を目指します。