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コミュニケーションとしての英文ライティングを再考する
プロの翻訳家によるものを含め、和文英訳の結果として生まれる英文は実は英語としての体を成していないことが多い。その原因は二つではないか。ひとつは、英米の語学検定機関が英語ができるかの判定基準としているディスコース(複数のメッセージを「つなぎ」、英語として通る「ひとまとまり」の言葉にするスキル)に対する認識不足。もうひとつは、コミュニケーション能力を言い出したDell Hymesが指摘している、言い回しが「一般的か否か」という見地からの妥当性 (appropriateness) を検証する姿勢の欠如だ。前段については竹島問題に対する外務省の英文、後段については3.11当時の官邸発表を例として取り上げ、問題の所在を確認していきたい。