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夜型社会の睡眠問題
夜型社会では社会的な制約から起床時刻を遅らせることには限度があります。そこで就床時刻が遅くなった分は睡眠時間が短縮します。OECD事務局が2006年のデータで国際比較した報告(2009)によれば、日本人の睡眠時間の短さは韓国に次いで世界第2位でした。睡眠不足は睡眠負債として累積され、日中に強い眠気となって居眠り事故を起こす危険性を高めます。人の睡眠システムは将来の睡眠不足に備える「寝だめ」の機能は持っていませんので、週末の朝寝坊は睡眠負債の返済に充てられます。いつでもどこでもすぐに眠ることができると言う人がいます。睡眠負債が慢性的に蓄積されているためで、仕事の能率を下げるばかりでなく、居眠り事故などで他人の命を脅かす可能性があります。このことから、個人のライフスタイルと看過することはできません。
また睡眠不足の人はそうでない人に比べ、肥満しやすく高血圧症や糖尿病にかかる危険度が高いことも分かってきました。そこで今回は①快適な睡眠と日中の覚醒を得るための生活習慣と睡眠環境づくりの工夫、②日中の強い眠気の予防として「お八つ」の休憩で30分以内の短い昼寝をとることを提案したいと思います。