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NJS向け日本語ブラッシュアップ:役所の公文書を考える
「区役所では、保健・福祉サービスを一体的に提供するため、妊産婦・乳幼児・児童・高齢者・精神障害者の保健についての相談と指導を行う保健センターと、生活に困っている方、心身に障害のある方、児童、高齢者、母子・寡婦・父子家庭などで、さまざまな心配事を持っている方達の相談を受け、必要に応じた援護・措置を行う福祉事務所が連携して厚生部の業務を行っています。」
これは広島が発行している文書(公文書)の一部です。一文が数行にも及び、非常に読みにくいと思います。これは‘保健センター’の説明と‘福祉事務所’の説明をそれぞれ連体修飾句でくっつけたまま、すべてを一文にしようとしているために長いのですが、バラバラに説明しても全く問題はありません。実は公文書には、日本人が読んでもよくわからないくらい難解なものがあります。当然外国人にとっては難解この上ありません。これらをわかりやすく書き直すことを日日翻訳と我々は呼び、公平な情報伝達のために重要であると主張しています。またこれは、外国語への翻訳を考える際にも非常に重要な過程だと思います。
本セッションでは様々な公文書を見ながら、日日翻訳を実際に行ってみようと思います。その際、原文のニュアンスを残したままどうやったらわかりやすくなるかを参加者の方々と議論したいと思います。次に、公文書には特有の言い回しがあるので、それらを紹介したいと思います。よくよく考えてみると変な言い方をしているものもあり、それらの形成過程などを想像しながら公文書のあり方を議論したいと思います。