高橋 弘行

高橋 弘行

学習院女子大学非常勤講師(英語演習)。NHK職員。政治部記者、ニューヨーク特派員、BS1キャスター、解説委員を経て、2016年から2021年までNHK国際放送局で英語ニュースの編集責任者を務める。現在はNHK考査室で国際放送考査を担当する。

Sessions

テクノロジーの進歩の現実において、通訳者の存在価値とは何なのか

テクノロジーの進歩とコロナ禍は、通訳業界に構造的変革をもたらし、また会議通訳者の可視性にも大きな影響を与えたと強く感じる。 1.コロナ禍によって、始まったオンライン会議は、その手軽さによって通訳業務の民主化を促進。開催される会議の数が急増し、その結果、通訳需要が底上げされている。 2.同時にオンライン会議やウェビナーでは、数百人・数千人規模の参加者を集める事ができる。対面会議とは比較にならない、巨大な聴衆に向けて通訳サービスを提供する事になった。通訳者の重要性が増加していると思う。 3.また自分が行った通訳が録画され、YouTubeなどにアップロードされる事さえある。世界中のオーディエンスにより、繰り返し自分の通訳が視聴されているのである。会議通訳者が放送通訳者の仕事に、近づいてきたのかもしれない。明らかに通訳者の可視性は、強まってきている。 4.一方で、Zoomの同時通訳機能は、A...

Read more...