IJET-31 (June 24-25, 2023)
Session | IJET-31 (June 24-25, 2023)
「翻訳の可視性」を多角的に考える―論理的批判的能力と社会的責任
「翻訳の可視性」について、登壇者は論理的批判的能力と社会的視点のふたつの側面から発表します。
機械翻訳ツールに続いて昨年からAIチャットツールが次々に公開されています。「今や英語を勉強しなくても翻訳には困らない」と多くの人が口にしますが、AIツールがあれば翻訳関連業務は不要でしょうか。翻訳を勉強する必要も依頼する必要もないでしょうか。
こうした疑問について、登壇者はAI利用が広がる時代だからこそ人間翻訳が必要であると予想します。特に、人間だけが持ちうる「論理能力と批判能力」こそ重要というエビデンスを授業で取り上げた素材から集めています。
そのサンプルを紹介しつつ、AIが社会の枠組を根底から変えかねない時代においてどういう視点で翻訳という仕事に取り組むとよいのか、ヒントを提案します。
さらに、「言葉の奥にある本質を見極めることが翻訳のコアである」と社会に向けて積極的に発信活動する意義について、昨年登壇者が実行した経験をご紹介します。
生き残りが厳しい時代と言われます。翻訳力を磨くのはもちろん重要ですが、社会に果たす翻訳の役割と責任も加えて多角的に見直せば「翻訳の可視性」が広がるでしょう。