大竹 純子

大竹 純子

欧米大手金融企業で管理職含め18年間勤務後、会議通訳者に転身。現在東京外国語大学大学院にて、同時·逐次通訳を教授。

Sessions

テクノロジーの進歩の現実において、通訳者の存在価値とは何なのか

テクノロジーの進歩とコロナ禍は、通訳業界に構造的変革をもたらし、また会議通訳者の可視性にも大きな影響を与えたと強く感じる。 1.コロナ禍によって、始まったオンライン会議は、その手軽さによって通訳業務の民主化を促進。開催される会議の数が急増し、その結果、通訳需要が底上げされている。 2.同時にオンライン会議やウェビナーでは、数百人・数千人規模の参加者を集める事ができる。対面会議とは比較にならない、巨大な聴衆に向けて通訳サービスを提供する事になった。通訳者の重要性が増加していると思う。 3.また自分が行った通訳が録画され、YouTubeなどにアップロードされる事さえある。世界中のオーディエンスにより、繰り返し自分の通訳が視聴されているのである。会議通訳者が放送通訳者の仕事に、近づいてきたのかもしれない。明らかに通訳者の可視性は、強まってきている。 4.一方で、Zoomの同時通訳機能は、A...

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