Naoko Selland
25年弱の滞米後帰国。法律、製薬を中心とした会議通訳を行う一方、通訳エージェンシー(株)STCを経営。現在東京女子大学教養学部国際英語学科准教授。
テクノロジーの進歩とコロナ禍は、通訳業界に構造的変革をもたらし、また会議通訳者の可視性にも大きな影響を与えたと強く感じる。
1.コロナ禍によって、始まったオンライン会議は、その手軽さによって通訳業務の民主化を促進。開催される会議の数が急増し、その結果、通訳需要が底上げされている。
2.同時にオンライン会議やウェビナーでは、数百人・数千人規模の参加者を集める事ができる。対面会議とは比較にならない、巨大な聴衆に向けて通訳サービスを提供する事になった。通訳者の重要性が増加していると思う。
3.また自分が行った通訳が録画され、YouTubeなどにアップロードされる事さえある。世界中のオーディエンスにより、繰り返し自分の通訳が視聴されているのである。会議通訳者が放送通訳者の仕事に、近づいてきたのかもしれない。明らかに通訳者の可視性は、強まってきている。
4.一方で、Zoomの同時通訳機能は、A...
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