IJET-31 (2023年 6月24・25日)
Session | IJET-31 (2023年 6月24・25日)
テクノロジーの進歩の現実において、通訳者の存在価値とは何なのか
テクノロジーの進歩とコロナ禍は、通訳業界に構造的変革をもたらし、また会議通訳者の可視性にも大きな影響を与えたと強く感じる。
1.コロナ禍によって、始まったオンライン会議は、その手軽さによって通訳業務の民主化を促進。開催される会議の数が急増し、その結果、通訳需要が底上げされている。
2.同時にオンライン会議やウェビナーでは、数百人・数千人規模の参加者を集める事ができる。対面会議とは比較にならない、巨大な聴衆に向けて通訳サービスを提供する事になった。通訳者の重要性が増加していると思う。
3.また自分が行った通訳が録画され、YouTubeなどにアップロードされる事さえある。世界中のオーディエンスにより、繰り返し自分の通訳が視聴されているのである。会議通訳者が放送通訳者の仕事に、近づいてきたのかもしれない。明らかに通訳者の可視性は、強まってきている。
4.一方で、Zoomの同時通訳機能は、AIだと思っているクライアントもいる。通訳業務に対するクライアントの見方も、テクノロジーで変わってきている。