早割登録の開始を2週間後に控え、講演者の第一陣の発表も間近に迫った今、IJET-31委員会リーダーのジョーダン・テイラーさんに、IJET-31に期待することをお聞きしました。

1) コロナ後、初めてのIJETです。今年の開始に踏み切った背景は何ですか?

 IJETはこの数年間、コロナに起因する様々な問題に直面し、中止を余儀なくされてきました。今こそ、英日/日英翻訳者・通訳者が直接会ってネットワークを構築し、専門性を高める最大の機会を復活させる時だと判断したのです。

 これまで多くの障害もありましたし、日本への旅行が再開されるまでスタートすることもできませんでしたし、またボランティアの確保にも苦労しました。しかしIJETを開催することを決断いたしました。多くの方にご参加いただきたいと思います。

2) なぜビッグサイトなのでしょう?そしてなぜ6月なのか...暑いですよね!

 この数年間、ビッグサイト周辺では再開発が進み、新しいホテル、新しいレストラン、ショッピングセンターが次々と建てられ、立地がかなり良くなっています。2014年にもビッグサイトを会場にIJETを開いています。そのときの経験をもとに今回、開催しますので、スムーズな運営とコスト削減が実現でき、チケットの価格を抑えることができています。

 6月は天気が悪いという声もありますが、IJETはいつも夏に開催しています。子供たちが夏休みに入るのを待っている人、仕事の休みを取りたいと思っている方々には絶好のチャンスです。他のイベントと重なってしまうので、あまり時期を先送りすることはできません。また日本の旅行再開との兼ね合いで準備スタートが遅れましたので、あまり前倒しすることもできません。

3) ハイブリッドなイベントになるのでしょうか?

 イベントそのものはハイブリッドではありません。IJETの最大の利点は、直接会って広げるネットワーキングだと考えています。オンライン・ネットワーキングは、最近様々なプラットフォームのおかげで簡単になりましたが、直接会うネットワーキングと同じではありません。また対面式とバーチャルなイベントの両方を目指すことは、すでにハードワークな委員会に負担がかかります。

 そこで、これまでと同様、各セッションを録画し(もちろん各講演者の許可を得て)、そのビデオをJATのウェブサイトに載せて、後で視聴できるようにしようと考えています。こうすることで、一部のセッションにしか参加できなかった方でも、JAT会員であればすべてのセッションを視聴することができます。

4) 会場と講演者の数はどのくらいですか?

 4~5の会場で25人ほどの講演者を目指しています。でもセッション数が予想以上に増えた場合に備えて拡張スペースを用意してあります。参加者の方々の様々な分野と専門性をカバーする豪華なラインナップをお届けしたいと思っています。

5) 例年のように前夜祭や懇親会はあるのでしょうか?

 現在企画中です。懇親会はネットワーキングの絶好の機会ですので、ぜひとも取り入れたいと考えています。コロナ規制や勧告に注意を払いつつ、問題なく開催できると考えています。

 すでにご存じかと思いますが、前夜祭はセッション前日の金曜日に開かれる、自由に過ごすためのパーティーです。懇親会は、初日のセッションが終わった土曜日の夜に開催される、少しフォーマルなイベントです。IJETのチケットを購入された方であれば、懇親会には追加料金なしで参加できますが、前夜祭には別途チケットを購入していただく必要があります。また懇親会は、友人や家族など、翻訳・通訳者とのネットワーキングに興味がある方のために、チケットを追加購入していただくことも可能です。

6) 参加を迷っている方へメッセージをどうぞ。

 コロナにまだ不安を感じていらっしゃる方も多いことと思います。そこで、少しでも参加できやすいように、早割登録の締め切りを開催間近まで延長することにしました。また、ほぼ全額返金できる期間も延長しました。安心してチケットを予約していただけます。

 IJETに参加したことがない方で、この集まりは何だろうと思われる方に、私の経験を述べさせていただきますと、それは「つながり」です。私たち翻訳・通訳者は、同業者や顧客と離れて仕事をすることが多いです。IJETはそれを変えるチャンスです。自分より経験豊富な方たちから学び、キャリアを後押ししてくれる関係を築き、同じ情熱を持つ人たちと同じ部屋に集えるチャンスです。初めてのIJETでも私と同じ経験ができます。そして、この先何年も続く新しいつながりをおみやげに帰ることができるでしょう。

7) 最後に一言お願いします。

 6月にお会いできるのを楽しみにしています。また、私の委員会のメンバーを見かけたら、背中をポンと叩いてあげてください。人数は少ないですが、経験と情熱が見事に融合した、献身的なチームです。